訪問鍼灸症例

腰椎すべり症による下肢神経痛 77歳女性

●居宅介護支援事業所様よりご紹介

「腰椎すべり症による下肢神経痛 77歳女性」

 

10年ほど前に東京から千葉へ引っ越してきた。結婚はしておらず、兄弟・家族はいない。一人暮らしを続けてきたが、年齢と共に徐々に体力が衰え、持病の腰痛がひどくなり、外出する機会は殆どなくなり閉じこもりがちな生活になっている。1年前に病院で腰椎すべり症と診断されたが、通院することが出来ないので、投薬と湿布で過ごしているという。要介護度1で訪問介護を週2回受けている。人との交流が苦手で、通所介護などは拒否しているという。

 

■2月17日(初診)軽くなった感じがするとのこと。痛みが強いのでまずは痛みを軽減させることを目標に、しばらく治療をメインに行うことにする。

■3月3日(5回目)治療後は症状が和らぐが、家事をしているうちに再び症状が元に戻ってしまうという。家事の動作をみさせて頂き、腰への負担を減らすやり方に変えて頂く事にした。

■3月5日(6回目)治療効果の持続時間が長くなったとのこと。

■4月7日(15回目)症状の程度が最初の半分以下になったとのこと。本日より、下肢筋力訓練も始める。腰に負担のかからないセルフトレーニングを1種類教え、家で実践していただくことにした。

■6月4日(30回目)家でのセルフトレーニング3種類を続けていらっしゃるおかげで明らかに下肢筋力がついてきた。ご本人も自覚している様子。立ち上がり時「よっこいしょ」の掛け声がなくても立てるようになったとのこと。

■6月18日(34回目)動きが以前より軽やかになってきたことを主治医の先生に指摘され褒められてうれしかったとのこと。近頃は表情が明るくなられたように思われる。

■11月5日(72回目)先日、要介護認定調査がありその結果が通知された。要介護1から要支援1に引き下げられご本人は喜んでいらっしゃった。本当に良かったです。

 

身体が健康になると心まで健康になる。この患者様を通じて改めて感じさせられました。腰・下肢の痛みは範囲や程度は軽くなってはいるものの未だ残存しているため、その疼痛管理のお手伝いを鍼灸治療という形でさせて頂き、リハビリを今も継続してサポートさせて頂いております。